解体されるまで

廃車の仕入れ

解体されるまで

廃車が解体業者に引き渡されるまでにはいくつかのルートがあります。 廃車を考えている一般ユーザのから引取業者へを渡るルート、大量に車両を持っている運送業者などからのルート、事故で全損になった自動車が損保会社あるいは直接整備業者から持ち込まれるルートなどがあります。 解体業者に持ち込まれる廃車は、最初にフロンガスとエアバッグの回収がされます。 フロン類回収業者によって、多くの車に使用されているエアコン用のフロンガスと、装備されていればエアバッグが取り外されます。 フロンガスはオゾン層を破壊する物質として、エアバッグは破裂などの危険が高いために特定再資源化等物品になっています。

事前選別処理

解体工場に運ばれると、解体業者によって本格的な解体作業に入る前にバッテリーやタイヤが取り外されます。 ガソリンや軽油等の燃料油、プロパンガスも抜かれ、廃車にある有害な影響を及ぼす液体、ブレーキオイルやエンジンオイルなどの廃油類、エンジン冷却水、ウィンドウウォッシャーなどの廃液類も抜き取られます。 その後パーツの取り外しに移ります。 取り外す部品は多種多様で、エンジンやトランスミッションのような機能部品、ドアやフェンダーなどの外装品があります。 ここでは需要がある部品、再利用する価値のあるパーツのみが取り外され、売れる可能性がないものは廃車ガラとして処分されます。

パーツの分別

再利用できそうな部品を取り外したら、次に金属含有量が多いエンジンやミッション、足回りなどの部品を外します。 これらは中古パーツとしての価値はありませんので、鉄スクラップとして扱われます。 解体処理をされた廃車の残った部分は、廃車ガラと言われます。 廃車ガラにはボディやシャーシなどの鉄や銅、アルミなどの非鉄金属、ゴム、プラスチック、繊維、ガラスなどが含まれています。 鉄スクラップと廃車ガラは、それぞれ破砕過程を行う破砕業者へと引き渡されます。 鉄スクラップは有償で取引されますが、廃車ガラは有価物の部分とゴミの部分の差額によって代金を支払うことになるか受け取るかが決まります。